WEB作成メモBLOG

そのWeb担当者の採用は間違っていないか?

WEBサイト運営 | 2014.06.26

「ホームページの更新作業をしてくれる人募集中!チラシの簡単なデザインもできると尚可。」
「パソコンを使った事務作業メイン。WEBサイトの更新もお願いします。」
「ECサイトの注文処理と発送作業をしてくれる方を募集。サイトの企画にも参加できます。」

求人サイトでは、この様なWEBサイト運営に関わる募集広告をよく見かけます。
人材不足の時代となってきており、給料の内容も一般的にみて悪くない募集広告もありますが、希望通りのWEB担当者が見つかっているのでしょうか?また、採用された側も幸せにスキルを発揮して働くことができているのでしょうか?

私は10年前に、WEB制作会社として起業した立場ですが、その前は、派遣社員としてWEB担当者というポジションでお仕事をさせてもらっていた経験があります。その時に感じた複雑な思いやはがゆさ、辛い状況やその解決策についてまとめてみました。

Web担当者のスキルのミスマッチ

パソコンが得意という様な特定の人のスキルに依存した体制で、上司が把握することなく、組織として情報の共有をすることなくWebサイト運営がされている会社も多いでしょう。
頼りにしていた人が辞めてしまった場合、代わりの人を採用するというのが一番簡単に思いつく方法ですので、分からないなりに、前任者のやっていたことを創造して募集をかけます。それが「パソコンが得意な人」というようなあいまいな表現を生み出している事が多いのではないでしょうか。

しかし、パソコンが得意と言っても、パソコンのハードに詳しい人、ネットワークの知識がある人、ワードやエクセルのソフトの操作に慣れている人とWebマーケティングの知識がある人、サイトデザインができる人などは、まったく別のスキルです。パソコンを使うという共通項目はありますが、あまりにも分野が広すぎます。ですので、前任者のやっていた事がすべてできる人となると、なかなか合致しないのが現実ではないでしょうか。

私の場合、得意分野はHTMLコーディング、Webマーケティング、SEO、ライティングなどです。サイト構築一式を任せられた場合、PHPプログラミングには不安がありますし、サーバーやセキュリティの知識も弱いです。また、デザインとなると、美術の勉強を本格的にしたことはないので素人っぽさが出てしまいますし、イラストなんて書けません。しかし、サイト構成を決めたり、文章を書いたり、アクセス解析を使って戦略を練ったりという事はできます。

そんな私が、Web担当者として雇われていた際にやった事の中には、パンフレットデザイン作成がそこそこのウェイトを占めていました。これは、事務職で採用されたのに、営業周りの仕事ばかりだったという位のインパクトがあります。
「もっとデザインよりの人の方が適任者だったのでは」という思いと、「WEBサイトデザインと印刷物のデザインは全く違うのに(でもわかってくれる人が社内にいない)」という思いがあり、申し訳なく思ったり、辛い気持ちになったりしたものです。

ミスマッチ採用に悩む女性

結局、Web担当者というくくりにして幅広い事を一人の人に任せてしまうと、できることとできない事の差が激しい場合があります。
任せられた方も、できない事はすぐにはできるようにはなりませんので、時間がかかったり、クオリティが足りなかったり、知識不足によって不完全な作業や間違った作業をしてしまう恐れもあります。会社としても、おそらく作業内容の良し悪しの判断が出来る人がそもそもいなかったり、苦手な人に作業をさせたりすることによって、無駄な人件費(作業時間)を生んでしまう恐れがあります。つまり、どちらにとっても良いことがないのです。

Web担当者を採用したい会社の状況

「今までは、制作会社に丸投げしていたけれど、コストがかかるので、人を雇った方がいいだろう」
「これからWeb事業部を立ち上げて、ホームページを新規作成しよう。ゼロからのスタートだから仲間になってくれる人を採用して育てていきたい。」

おそらく、この様な思いで求人広告を出されているのではないかと想像しますが、コストがかかることの原因は、制作会社が作業するのか社員が作業をするのかという問題ではなく、丸投げしているところにあるかと思います。

単発の作業を受け付けている会社や、SOHOや小規模の制作会社であれば、社員をかかえるよりも、早く安くクオリティ高く作業をすることが可能です。
また、Web部門を社内に持つことは大変良い事だと思いますが、社員を雇えば、制作会社と同じ内容の作業をできるようにするためには、制作会社を起業するくらいの時間とコストとリーダーシップが必要です。
小規模の制作会社でさえ、プログラムやイラスト作成、マーケティングなどのすべての専門分野をカバーしているところは少ないもので、制作会社同士が協力し合ったり、SOHOクリエイターに部分的に作業を依頼したりしていることがよくあります。たとえ自社の1サイトを運営していくだけだとしても、成功させるためには幅広くあらゆる知識やスキルが必要となります。ホームページ自体は少し勉強すれば、簡単にそれっぽいものが作成できますが、この様に、「簡単にできる事は、やっても効果が少ない。」というのは、どの業界・分野でも同じです。

例えば、自社ビルを建てようというときに、
大工さんを社員として募集するでしょうか?
社内の力持ちに「勉強して大工作業をやってみて。」という指示を出すでしょうか?

社員のポジションでやるべきことは、営業戦略に基づいたデザインの方向性を決める事、スケジュール管理能力を高める事、社内の意見や各専門技術者をまとめる調整能力を上げる事、自社の製品やサービスを熟知したうえでのマーケティングスキルを上げていくことなどではないでしょうか。
この部分を外注するならば、かなりの信頼関係構築も必要なため実現しているところは少ないかと思います。
つまり、この部分で力を発揮するのが社内のWeb担当者であって、実際のデザイン作業やプログラミング作業、コーディング作業は、これらとは別の専門技術となります。
色彩の知識や絵を書く能力、プログラムの記述ルールや設計能力などは、たくさんのWebサイト制作の経験を積むことで培われます。この経験によるスキルの差は、他の事務作業と兼業でWebサイト制作をしている人とは比べ物になりません。

また、
「ホームページからの売り上げを何とかしたい。」
「バナーデザインを急ぎで作ってほしい。」
「メールやサーバー契約や制作会社とのやり取りなどの窓口になってほしい」

この様な事は、制作会社であれば、別々の担当者が行っている事ですので、一人のWeb担当者ですべてまかなうのはむつかしい場合があります。
ホームページからの売上に関する事は、Webディレクターやプロデューサー、営業などが担当しますし、デザイン作業はデザイナー、サーバー関係は、プログラマーやシステム管理者などが担当します。
Web関係という一つのくくりにまとめることもできますが、大工さんに植木の手入れをお願いするようなものと言えるでしょう。

デザイナーやプログラマーが一般企業には集まりにくい訳

デザインの仕事に本気で取り組みたい人やプログラマーとしてスペシャリストになりたいと考えている人は、一般的な小売業やサービス業、製造業、建築会社、不動産会社等の社員になりたいとは思わないものです。はやり、デザインやプログラミングの専門スキルを付けるためには、色々なサイトの制作ができ、周りに同じような志を持つ人がいる環境にいることが必要です。
ですので、制作会社やプロダクションなど、制作仕事の集まってくるところに行きたがるのが当然です。そのため、一般企業がWeb制作の専門スキルを持った人を採用しようとすると、家の近くで働けるところを探していたとか、スペシャリストになるのはあきらめたけれどそれなりのスキルは持っているなど、個別のケースにたまたま合致する人がタイミングよくいるかという少ない確立にゆだねられていることになります。
運よく、スキルが高く最適な人と出会える可能性もありますが、個人的な事情などのその人の能力とは別のところに問題がある場合も含めて、Web制作に本気で取り組める人と出会える確率は非常に低い事は確かでしょう。

デザイン会社イメージ写真

また、Web制作の初歩的なスキルであれば、多くの人が持っていますが、スキルの程度を判断することはある程度Web制作の事を理解している人でないと難しいでしょう。
採用募集広告でよく記載されているのが「photoshopを使える人」という表現ですが、使えるという人の中には、信じられない位の幅があります。初心者のためのphotoshop講座で数時間使ってことのある人も「photoshopを使える人」ですし、10年以上、毎日のようにphotoshopを使ってデザイン制作を行っている人も「photoshopを使える人」です。
この違いを判断するためには、制作実績を見せてもらえば、わかる人には一目瞭然なのですが、判断するためには、どの様なデザインが良いデザインであるかを理解する為の知識と経験が必要です。
しかし、採用担当者にすべてを理解することも現実的にはむつかしいと思いますので、クリエイター職の採用をする時には、人柄や言動も大事ですが、制作物をよくみることがポイントになるかとおもいます。

採用企業のできること

これらを踏まえて、企業がWeb担当者を採用しようとするときに大切なことは、Web担当者とひとくくりにして、今足りていない作業を全部やってくれる人を探すのではなく、本当にやってほしい作業をピックアップして現実的な内容に落とし込む事かと思います。現在いる人の中で、作業担当の適任者が他にいないかどうかを検討することも大切です。
Web制作のあれもこれもができる人は制作会社の中の人でもまれですので、人物像が浮かぶまで現実的な内容にまとめることがよいでしょう。

例えば、Webデザインとチラシデザインをお願いしたいのであれば、営業戦略やマーケティングの知識は期待することはむつかしいかもしれません。サイトのデータを数字でおったり、キャンペーンを企画したり、ライティングをしたりすることもデザイナーによっては苦手分野であったりします。この場合、別の社員で企画部分を補う必要がありますが、1名しか採用できないのであれば、デザイン作業のみを制作会社に外注して、企画部分のできる社員を採用する方がクオリティの高い制作ができ、制作会社に支払うコストも企画部分が削減できますので、抑えられるでしょう。中途半端に、社内デザイナーが途中まで制作して、行き詰まったところで制作会社に外注するのが、一番コストがかさみます。社員の人件費とほぼ一から制作する外注費となりますので、2倍近くかかることもあるでしょう。さらに、企画的部分をまとめられる社員がいないとなると、制作会社まかせのデザインとなり、見た目はいいけれど、会社の戦略とずれがあったりなどして、成果が出にくい事も心配されます。せっかく、社内にWeb担当者を置くのであれば、自社製品やサービスに熟知していて企画部分のある程度できる人を確保することは必須条件かと思います。

また、社内にWeb制作をする人を置く場合、制作環境を準備することも必要です。パソコン1台があればWeb制作はできますが、きちんとした制作をするためには、グラフィックソフト、素材集、フォント、表示確認をするために、バージョン違いのパソコンを数台、タブレットやスマートフォンにも対応しているサイトであると、それらの端末も数台、ワイドスクリーンに対応した大き目のモニター等があると理想的です。
安価な代用品もありますし、なくてもそれなりのデザインは作成できるとも言えますが、それなりの制作作業をしようとすると、環境を揃える事にもコストはかかります。それ以前に、どの様な環境を揃えたらいいかという判断も難しいかと思いますが、もし、採用した社内デザイナーの成果が上がらない時は、環境に問題がある事はありますので、注意が必要です。

さらに、社内のWeb担当者に求めるスキルだけでなく、受け入れ態勢として、上司にあたる人が作業の良し悪しを判断できる様にスキルアップしていくことが大切です。
photoshopを使ったり、プログラムを書いたりという、実際のWeb制作作業は行わなくとも、作業内容やWebサイトの状況を理解して、企画書を書いたり、文章を書いたり、アイデアを出したりという作業を行っている人は制作会社内にもたくさんいます。Web担当者イコール制作する人として、幅広いスキルを求めるあまりにクオリティの低い制作を行うよりは、社内で抑えるべきことをしっかりと行い、専門分野は場合によっては制作会社に任せる事で、コスト抑えて成果の上がるサイト運営ができるのではないかと思います。

ホームページ制作会社のサイト運営管理代行

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